交通事故における逸失利益とは?慰謝料との違いや計算方法など
交通事故で被害に遭った際に、保険会社から提示された示談金の中で逸失利益という言葉を目にしたことのある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし逸失利益とは何か、慰謝料などとはどう違うのかといった点について分る方は多くはないでしょう。
そこで、本記事では逸失利益とは何なのか計算方法や慰謝料との違いについて解説します。
逸失利益とは
逸失利益とは交通事故の被害に遭ったことで、交通事故がなければ得られたであろう将来の利益のことをいいます。
交通事故の逸失利益には大きく分けて後遺症が残ってしまった場合の後遺障害逸失利益と死亡事故の場合の死亡逸失利益があります。
後遺障害逸失利益とは後遺症がなければ得られたであろう利益のことをいいます。
これに対して死亡逸失利益とは死亡事故が無ければ得られたであろう利益のことをいいます。
慰謝料との違い
後遺症が残ってしまった場合や死亡事故の場合にはそれぞれ後遺傷害慰謝料や死亡慰謝料が認められています。
では、こうした慰謝料と逸失利益はどのように違うのでしょうか。
慰謝料は精神的苦痛に対して支払われる金銭のため、一定程度類型化された金額があります。
これに対し、逸失利益はその人が得たであろう利益のため、被害者の年収などによって金額が大きく変わります。
実際に裁判で認められた高額の死亡逸失利益として5億843万円もの金額が認められた事例があります。
この事例では被害者が年収5500万円を超える高所得者であったことや定年のない医師であったことが重視されてこのような金額が認められています。
このように被害者の収入や職業によって大きく異なるのが逸失利益の特徴です。
逸失利益の計算方法
逸失利益の計算方法は以下の通りです。
①後遺障害逸失利益
後遺障害逸失利益は以下のように計算されます。
基礎収入額×労働能力の喪失率×労働能力の喪失期間
・基礎収入額
原則として年収額が採用されます。そのため、給与所得者の場合には源泉徴収票によって立証します。
事業所得者の場合には確定申告上の申告所得によって立証されます。
・労働能力の喪失率
後遺障害等級に応じて喪失率が決まっています。
例えば1級であれば100%、逆に最も下の等級である14級の場合には5%とされています。
・労働能力の喪失期間
何年分の賠償がなされるべきかという観点から決定されます。
裁判実務では、症状固定時の年齢から67歳に至るまでの年数を労働能力の喪失期間と原則考えています。
②死亡逸失利益
死亡逸失利益は以下のように計算されます。
基礎収入額×(1-生活費控除率)×労働能力の喪失期間
・基礎収入額
後遺障害逸失利益の場合と同様に原則として年収額です。
・労働能力の喪失期間
後遺障害逸失利益の場合と同様の考え方をします。
・生活費控除率
被害者が家族の中でどのような役割を果たしていたかによって異なっており、一家の支柱の場合には30%~400%、一家の支柱以外の女性の場合には30%、独身男性などの場合には50%とされています。
交通事故についてお悩みの方は桃谷法律事務所におまかせください
逸失利益は示談金の中でも高い割合を占める可能性のある賠償です。
後遺障害逸失利益や死亡逸失利益の金額でお悩み方や保険会社から提示された金額に納得ができない方は是非桃谷法律事務所へご相談ください。
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